2010年6月14日月曜日

はやぶさ=見事過ぎる結末

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● オーストラリア南部の砂漠に着陸した、はやぶさのカプセル(ヘリから撮影)
 =JAXAより


● YOMIURI ONLINE より


● 毎日jp より


 朝、起きてテレビのスイッチを入れたら、バーンと出てきた。
 ニュースで「はやぶさ」の大気圏突入模様を放送していたのだ。
 キラキラとかがやき、はな火のように美しい。
 花麗にして幻麗。
 カプセルは「アーリーモーニング(午前中早く)」には回収されるだろうと言っている。
 「これはいかん」
と、すぐにインターネットに飛びついた。

 出てきた。
 それがNHKニュース。
 このビデオがこちらの放送局に配信されて、今朝のトップニュースになっていたわけだ。
 インターネットの画像は小さい。
 ニュースはテレビ画面だったので、実に華麗である。
 さすがにNHKの技術陣である。
 おそらく、日本のテレビで見られた方もその美しさに感激されたのではないだろうか。
 そのうち、大きな画面のYou Tubeでも見られることだろう。


NHKニュース 6月14日 4時35分 動画あり
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100614/t10015087141000.html

 日本の小惑星探査機「はやぶさ」が、13日夜、7年ぶりに地球に帰還しました。
 「はやぶさ」から分離された、小惑星の石が入っている可能性のあるカプセルは、オーストラリアの砂漠のほぼ予定どおりの場所に落下したことが確認され、早ければ14日午後にも回収される見込みです。

 「はやぶさ」は地球から3億キロ離れた小惑星「イトカワ」に着陸し、度重なるトラブルに見舞われながら7年ぶりの帰還を目指し、日本時間の13日午後11時前、大気圏に突入しました。
 「はやぶさ」の本体は大気圏で燃え尽きましたが、小惑星の石が入っている可能性のあるカプセルは分離され、宇宙航空研究開発機構によりますと、カプセルはオーストラリア南部の砂漠のほぼ予定どおりの場所に落下したことが確認されました。
 現地では、「はやぶさ」の本体が大気圏で花火のように輝きながら燃え尽きていく様子や、そこからカプセルが赤い球となって現れ、地表に落下していく様子が、10秒以上にわたって観測されました。

 「はやぶさ」を見守ってきた神奈川県相模原市にある管制室では、13日午後10時半ごろ、「はやぶさ」との最後の通信を終えると、関係者が拍手をしたり握手をしたりして、7年間に及んだ運用の終了を互いにねぎらっていました。
 記者会見した「はやぶさ」プロジェクトのリーダーの川口淳一郎さんは
 「まずは、携わった人すべてにお礼を言いたい。はやぶさが一時、行方不明になった以降は、神頼みもした。今は夢のような気持ちだ」
と述べました。
 カプセルが落下したオーストラリアでは、回収隊を現場に向かわせ、早ければ14日午後にもカプセルを回収する予定で、運搬用のコンテナに入れて日本に運ぶことにしています。
 太陽系の誕生当時の姿をとどめるとされる小惑星の石を持ち帰ることができれば世界初の快挙で、地球誕生の謎の解明につながる手がかりが得られると期待されており、カプセルの分析結果に注目が集まっています。


 はやぶさは帰ってきたのだ!



JAXA ホットトピックス 2010年6月14日 更新
http://www.jaxa.jp/topics/2010/06_j.html

 おかえりなさい「はやぶさ」!

 幾多の困難を乗り越え、地球に帰還
 小惑星探査機「はやぶさ」は、6月13日19:51に無事カプセルを分離し、22:51頃に大気圏に突入してその運用を終えました。
 着陸後、オーストラリア・ウーメラ立入制限区域内をヘリコプターでカプセル本体を捜索し、23:56にその位置を確認しました。
 2003年5月にM-Vロケットで打ち上げられてから約7年間、「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」に着陸し、サンプル採取作業を行い、再び地球へ帰還するという難事業を、幾多の困難を乗り越え成し遂げることができました。


■ プレスリリース
小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の大気圏突入について
http://www.jaxa.jp/press/2010/06/20100614_hayabusa_j.html

宇宙航空研究開発機構 平成22年6月14日

 日本時間6月13日19時51分に「はやぶさ」は無事カプセルを分離し、日本時間6月13日22時51分頃には大気圏に突入しました。
 2003年5月9日にM-Vロケットで打ち上げられてから約7年間、イトカワに着陸し、サンプル採取作業を行い、再び地球に帰還するという難事業を、幾多の困難を乗り越え成し遂げることができました。
 これまで応援していただいた皆様に感謝いたします。

 引き続き、豪州において地球に帰還したカプセルの回収作業を進めてまいります。



● 「はやぶさ」が最後に撮像した地球画像


● ウーメラで撮影した火球(光学班)


● ウーメラで撮影した火球(レンジEより)。
  2つに分かれて見える上左側の光跡が探査機本体の火球で、右下側の長い光跡がカプセルの光跡と思われます。
=写真は[JAXA]より


 NASAによる「はやぶさ」大気圏再突入のビデオを載せます。

Hayabusa Reentry Video from NASA
http://www.youtube.com/watch?v=Y3p5s57qh_U










● NASAの撮った大気圏突入時の「はやぶさ」

 この撮影に使われた「DC-8」のビデオ。

NASA's DC-8 Lab Heads to Record Hayabusa Re-entry
http://www.youtube.com/watch?v=eMNJ18pWKW4&NR=1



● ロイターより


 「はやぶさミッション」の成功については、「神がかり的」だと言われているし、「500%の成功」とも言われている。
 実際、どうもそうだとしかいいようがない。
 「いったい、こういうことが可能なのか?
と考えると、なにかおかしい
 こんなことができるわけがない。
 まあ何とか行き着いて写真でも撮って送ってくれればバンバンザイ・大成功といったところだろうと思う。
 イトカワは何しろ500mくらいの小さな小惑星である。
 「惑星」というからどうもイメージがわかないが、端から端まで歩いたとして数分しかかからないような小さな「土くれ」である。
 見つけることすら難しいと思うのが普通であろう。
 例えば、太平洋をただよう小さな手漕ぎボートを想像すればわかりやすい。
 ましては、それが宇宙ともなれば想像の枠を超えてしまう。

 先のYou Tubeに出ている例えを引いてみよう。
 地球を10cmの野球のボールとすると、そこから3mのところに置かれている10円玉が月になる。
 とすると「イトカワ」は?
 1.7km離れたところにあるモノ。
 どんなモノ。
 3ミクロンの小麦粉の紛粒。
 3ミクロンとは「3/1000cm」
 つまり、10cmのボールが地球だとすると、1.7kmはなれたところにある「直径3/1000cm」の粉の一粒にあたるのが「イトカワ」ということになる。
 とんでもないことなのである。

 こうなるとそこに近づき写真が撮れたことだけで十分マンゾクのはずである。
 が、降り立ったという。
 そして、飛び立ったという。
 さらには、致命的ともいう故障をいくつも背負いながら帰ってきたという。
 最後は見事な花火ショーを見せてくれたりして、目的地点に狂いもなくカプセルを帰還させた。
 何だか不思議の国にいるような錯覚すら覚える。
 底知れぬ胸苦しさを憶えてしまう。
 こんなことが、果たしてあっていいのだろうか

 SMAPの唄だったろうか。
 東京タワーのお土産には「努力と根性」と刻まれているという。
 「ねばりと根性」
 でも、それだけで宇宙には対処できない。
 では、何が?
 運と偶然だろうか?
 「わからない」
 「はやぶさ」とはわからないの集大成である。

 これだけの成功を収めてしまうと、たしかにモチベーションの高揚にはなるが、他方あとから来る人々にはとって過大な負担にならないだろうか。
 やたらと成果主義に走ることにならないだろうか。
 ちょっと危惧している。
 あまりに見ごと過ぎる結末だっただけに。
 でも、嬉しくてしかたない。


YOMIURI ONLINE (2010年6月14日08時45分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/space/news2/20100614-OYT1T00190.htm

奇跡生んだ粘りと技術…「はやぶさ」帰還

 満身創痍(そうい)になりながらも、三つの危機を乗り越え、地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。
 月より遠い天体に着陸して戻るという快挙を可能にしたのは、一人旅を続ける「同志」を励まし続けた研究者の粘りと日本の技術だった。



 ◆通信途絶

 はやぶさを待ちかまえていた最初の危機は2005年1月、小惑星イトカワ離陸後に起きた。
 地上管制室で歓声がわく中、姿勢制御用の化学エンジンがまさかの燃料漏れ。
 その反動で姿勢が乱れ、通信も途絶。
 はやぶさは行方不明になった。
 探査機にとって「姿勢」は生命線だ。
 太陽電池パネルに日光が当たらないと、電力不足に陥る。
 アンテナが地球に向かなければ、交信できない。

 管制室が雑音の中から、はやぶさの微弱な信号をとらえたのは7週間後。
 回転していたはやぶさのアンテナが、たまたま地球へ向いた時だった。
 「意地と忍耐と神頼みの日々だった
と、宇宙航空研究開発機構の川口淳一郎教授(54)。
 しかし、交信は20秒つながると、次の30秒は途切れる状態。
 そこで、20秒に収まるよう小刻みに指示を出し続けた。

 ◆化学エンジン全滅

 二つ目の危機は、イトカワ離陸後の燃料漏れで、推進力の強い化学エンジン12基が2005年12月までにすべて故障したことだ。
 長距離航行用のイオンエンジンで代用した。
 馬力の弱いイオンエンジンは姿勢制御には向かないが、推進剤のガスを加熱せず直接噴射するという奇策で瞬発力を得た。
 1平方メートル当たり1ミリ・グラムに満たないという太陽光の圧力さえも利用した。
 風を受ける帆のように太陽電池パネルで光圧を受け、機体を安定させた。
 「地上から指令した以上の働きをしてくれた」。
 はやぶさは川口教授らにとって、もはや探査機以上の存在になっていた。
 しかし当初予定した帰還軌道に乗り損ね、3年間の遅れが生じた。
 その分、部品劣化も進んだ。
 通信途絶時、ヒーターの切れた機体は零下50度まで冷え切った。
 復路は寿命との闘いだった。


 ◆「イオン」も故障

 そんな懸念がついに現実となる。
 2009年11月、4基中3基目のイオンエンジンが故障したのだ。
 三つ目の危機に帰還は絶望視された。
 そんな時、国中均・同機構教授(50)が提案した。
 「故障個所の違う2基をつなぎ合わせて、1基分にしてみよう」
 研究者の用心深さで、2基をつなぐ予備回路を仕込んでいたのだ。
 しかし、試験はしていない。
 予期せぬ副作用の恐れもある賭けだったが、成功した。

 ◆イオンエンジン、日本の力証明

 航行に不可欠な装置がほぼ全滅した状態でも帰還できたのは、NECが作ったイオンエンジンが八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍をしたお陰だ。
 キセノンという物質にプラスの電気を帯びさせ、これを電気の力で加速し、高速噴射するイオンエンジン。
 化学エンジンが高圧ガスを噴射するのに比べ、地上で1円玉を持ち上げる程度の力しかない。
 それでも、空気抵抗がない宇宙空間で長時間稼働すれば、加速する力を得られる。
 イオンエンジンの利点は、何と言っても効率の良さ。
 化学エンジンは、噴射に必要なエネルギー源を燃料という形ですべて地上から持って行かねばならない。
 イオンエンジンは太陽電池パネルで電力が得られるため、キセノンの積載重量は化学エンジンの燃料の10分の1で同じ推進力を出せる。
 イオンエンジンは過去にも探査機に使われたことがあるが、トラブル続きで、はやぶさには日本の独自技術が採用された。
 キセノンに電気を帯びさせる際、電子レンジでおなじみのマイクロ波を使う。
 耐久性がぐんと向上し、7年間でのべ4万時間稼働した。

 NECは、世界初の事業化に向けて米企業と提携し、来年度から3年間で20億円の受注を見込む。
 イオンエンジンは小型衛星の長期運用に使う「電気推進エンジン」市場で新顔となるが、「はやぶさで圧倒的な実績を示せたことで、世界最大の米国市場で占有率6割以上を狙える」と、NEC宇宙事業開発戦略室の堀内康男さん(45)。
 同社は今後、はやぶさに搭載したものより推進力を20%増すなど、品質をさらに高める方針だ。




25today  2010年6月14日
http://www.25today.com/news/2010/06/post_4580.php

ハヤブサ、地球に帰還: カプセル、アボリジニ聖地に着陸

 オーストラリア科学メディア・センターは、「13日真夜中少し前に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査船「はやぶさ」から分離されたカプセルがSA州北部のウーメラにパラシュートで軟着陸した」と発表した。
 光速でも5時間半以上かかる60億キロを7年かけて飛び続けてきたはやぶさ本体は秒速12kmで大気圏に突入、カプセルを放出して間もなく、分解飛散して燃え尽きた。
 一方、カプセルはアデレード北西485kmの地点の軍用地に着陸し、信号を捉えたヘリコプターがカプセルとパラシュートを確認した。
 ただし、現場はアボリジニの聖地に含まれているため、土地所有グループの許可を待って回収すると伝えられている。
 回収後は密閉容器に入れて日本に空輸することになっている。
 2003年に約2億米ドル相当の予算をかけて打ち上げられたはやぶさのカプセルには、小惑星「イトカワ」の岩石の破片が取り込まれているのではないかと期待されており、砂埃程度でも回収できれば、太陽系生成の起源や過程、その時期、組成、他の天体との接触、太陽風、放射線の影響などを知る手がかりになる。
 はやぶさは燃料を使ったエンジンの燃料が漏れてなくなり、イオン・エンジンも4基のうち2基が故障するなど満身創痍の状態で飛び続けた。
 一時はJAXA との連絡も途絶えたが、JAXAで偶然に捉えた信号を頼りに制御を回復、それでも2007年の帰還予定を逃してしまい、2010年にようやく再び帰還のチャンスが戻ってきた。
 はやぶさが小惑星の物質を持ち帰っていれば、人間が回収した天体のサンプルとしては4つめになる。
 これまでにアポロ宇宙船の月サンプル、スターダストが回収した彗星のガス、ジェネシスが回収した太陽からの放射物がある。
 サンプル分析については、最初の1年は、日米豪3か国の科学者が優先的に研究するが、その後は世界中の科学者に開放される。




● JAXA より(14日午後)


asahi.com 2010年6月14日19時25分
http://www.asahi.com/science/update/0614/TKY201006140412.html

「イトカワ」の砂入り?はやぶさカプセル回収 破損なし

 【ウーメラ(豪州南部)=東山正宜】
 13日深夜に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」から分離されたカプセルが、日本時間の14日午後4時8分、豪州南部ウーメラ砂漠で回収された。
 宇宙航空研究開発機構が発表した。
 カプセルは破損していないという。
 小惑星「イトカワ」の砂が入っている可能性がある。

 ウーメラ近郊にある回収拠点にカプセルが到着すると、宇宙機構の関係者だけではなく豪州メディアからも拍手がわいた。
 宇宙機構の安部正真准教授は、ヘリコプターから降りてカプセル入りのコンテナを運びながら、
 「カプセルは割れていません。正常です」
と話した。

 カプセルは震動を防ぐ専用の箱に入れて今週中に日本に運ばれ、宇宙機構の宇宙科学研究所(神奈川県相模原市)が砂の分析作業に入る。
 宇宙機構の立川敬二理事長は「太陽系の起源と進化の解明に貢献できることを期待している」との談話を発表した。
 大気圏に突入する際に出る熱からカプセルを守り、その後切り離された
耐熱シールドも発見された
 15日以降に回収するという。




写真:ヘリで回収されたカプセルが入ったコンテナを運ぶ宇宙機構の研究者ら
  =豪州南部ウーメラ、東山写す




はやぶさカプセル熱シールドの発見について
宇宙航空研究開発機構 平成22年6月14日
http://www.jaxa.jp/press/2010/06/20100614_hayabusa7_j.html

 日本時間2010年6月14日14時頃、熱シールドを捜索した結果、WPA内にて発見しました。明日以降、熱シールド(防護材)の回収作業に入ります。









[◇ その後 ◇]

 先に「イトカワ」を「宇宙のツチノコ」と書きましたが、「ラッコ」でした。
 その記事を。



ASCII.JP 2010年06月14日
http://ascii.jp/elem/000/000/529/529555/




http://ascii.jp/elem/000/000/529/529555/index-3.html




● 上はイトカワの記念すべき一枚、そして下はラッコのコラージュが施されれたバージョン。
  海外の研究者にも有名な図版だという(提供:JAXA)

 そして9月10日、イトカワまで30kmの距離から撮影した画像。
 後日、「ラッコ」の愛称で親しまれることとなる一枚だった。

ラッコの落書きには意外な効用が

藤原: 「Science」の論文には、ちゃんと「Sea otter」、ラッコって書きました。
 これはお遊び一辺倒というわけじゃなくて、場所を示す場合に便利なんですよね。
 「ちょうど首のあたりに~」といった按配で説明できる。

齋藤: 目鼻を付けたバージョンを作ったのは誰だったかなあ。
 メーカーの方、それとも、今は会津大学にいる平田君かな。
 誰ともなしにラッコって言い出したんですよねえ。
 ラッコだったらヒゲ書いちゃえ、おなかの上に貝置いちゃえって。




YOMIURI ONLINE (2010年6月15日12時51分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/space/news2/20100615-OYT1T00589.htm

「はやぶさ」2つの記録、ギネス申請

 60億キロ・メートルの宇宙の旅から13日に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の偉業を、宇宙航空研究開発機構が14日、ギネス世界記録に申請した。
 川端文部科学相が15日の閣議後記者会見で明らかにした。
 申請したのは、
①.「月以外の天体に着陸し、史上初めて帰還した宇宙機」と
②.「世界で最も長い年月となる「2592日」の航海から帰還した宇宙機」
という二つの記録。
 これまでの最長記録は、2006年1月に地球に戻った米航空宇宙局(NASA)の彗星(すいせい)探査機「スターダスト」の「2534日」だった。

 宇宙機構が持つギネス世界記録は、
①.「種子島宇宙センターにある大型ロケット組み立て棟の世界一大きな扉」
②.「無人気球による到達高度の世界最高記録(53キロ・メートル)」
の二つ。
宇宙開発そのものでの申請は今回が初めてになる。




「はやぶさ」試料回収カプセルの再突入結果について(速報)
宇宙航空研究開発機構 平成22年6月16日
http://www.jaxa.jp/press/2010/06/20100616_sac_hayabusa.pdf







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 朝鮮日報の記事から
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朝鮮日報 記事入力 : 2010/06/14 11:35:43
http://www.chosunonline.com/news/20100614000031

小惑星探査機「はやぶさ」の帰還に日本中が熱狂

  13日、日本国民の視線が夜空に注がれた。
 金星のような光を放ちながら、7年ぶりに現れた小惑星探査機「はやぶさ」を一目見るためだった。
 「はやぶさ」はこの日夜7時51分ごろ、小惑星から採取した試料が入っているとみられるカプセルを切り離した後、大気圏に突入し燃え尽きた。
 カプセルは10時52分に大気圏へ突入し、落下傘を開いて、オーストラリア南部の砂漠に落下した。

 「はやぶさ君」というあだ名が付いた小惑星探査機の地球への帰還に、日本中が熱狂した。
 「はやぶさ」を打ち上げた、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所(ISAS)には、帰還成功を祝う約1900通ものメッセージが寄せられた。
 「はやぶさ」が帰還する日に、夜空を見上げながら一杯やろう、という趣旨で、
 「はやぶさ帰還記念酒
まで発売された。

 2003年に打ち上げられた「はやぶさ」は、月以外の天体に着陸し、小惑星から試料を採取して地球へ戻った、世界初のケースだ。
 だが、日本国民が今、「はやぶさ」の帰還に熱狂しているのは、その成果のためではない。
 日本メディアによると、JAXAに寄せられたメッセージは、「君に出会えたことで人生が変わった」「カプセルに何も入っていなかったとしても、戻ってきたというだけで、金メダル100個分の喜びを感じる」といったものが多かったという。
 日本経済新聞は、「7年の歳月をかけ、60億キロもの孤独な長旅を経て、満身創痍(そうい)の状態で地球に帰ってきた探査機が、日本人の間で共感を呼んでいる」との見方を示した。

 日本が独自に開発したM-Vロケットに搭載され、宇宙へ旅立った「はやぶさ」の道のりは、失敗の連続だった。
 エンジン4基のうち3基が破損し、また姿勢制御装置3台のうち2台が故障した。
 小惑星に着陸した後も、7週間にわたって通信が途絶え、JAXAは「はやぶさ」が宇宙で「迷子」になったものとみて、あきらめかけていた。
 当初の帰還予定(2007年)より3年も遅れたのは、「はやぶさ」の帰還がどれだけ難しかったかを物語っている。
 そんな「はやぶさ」が一般人の関心を集めたのは、JAXAの研究員たちが「はやぶさ」を擬人化し、その失敗だらけの旅を、「はやぶさ君の冒険日誌」という童話仕立ての物語としてウェブサイトで紹介したためだ。

 日本は1975年、米国が製作した1段目のロケットに、独自の技術で製作した2段目のロケットをつないで、打ち上げに成功した。
 だがその後、純国産ロケットの開発に着手したものの、数々の試行錯誤や失敗を重ねた。
 「はやぶさ」を打ち上げたM-Vロケットも、これまでに計7回打ち上げたが、2000 年の4号機の打ち上げは失敗に終わっている。

東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員




朝鮮日報 記事入力 : 2010/06/15 08:09:36
http://www.chosunonline.com/news/20100615000005

日本、「はやぶさ」カプセルを豪の砂漠で回収
「地球から3億キロ離れた小惑星の砂が入っている可能性」



 日本の小惑星探査機「はやぶさ」が分離して、地球に落としたカプセルは14日、オーストラリアのウーメラ砂漠で回収された。
 カプセルには地球から3億キロ離れた小惑星「イトカワ」の砂が入っているものと期待されている。
 日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日、カプセルを日本に持ち帰り、分析に着手する。

■「はやぶさ」が着陸した小惑星「イトカワ」とは?

 地球と火星の間にある。太陽系の小惑星のうち、地球に近い「地球近傍小惑星」のアポロ群に属する。
 当初、JAXAはアポロ群の別の小惑星を構想していたが、2000年にM-Vロケット4号機の打ち上げ失敗により、米マサチューセッツ工科大学(MIT)研究所が発見した小惑星「1998SF36」を選んだ。
 MITは「はやぶさ」の打ち上げ直前に、JAXAの要請を受け入れ、この小惑星を「イトカワ」と名付けた。
 日本の宇宙研究におけるパイオニア、糸川英夫博士の名字を取ったものだ。

■どのように地球に帰還した?

 2003年5月19日、M-Vロケット5号機に搭載され打ち上げられた「はやぶさ」は、当初計画だと05年に「イトカワ」に着陸し、07年に地球へ帰還するはずだった。
 ところが、05年11月に「イトカワ」離着陸に成功したものの、姿勢制御装置3基のうち2基が壊れ、燃料漏れで化学エンジン12台も全損した。
 さらに深刻だったのは、燃料漏れにより進行方向が乱れたこと。
 「はやぶさ」は50秒周期でグルグルと回転を続け、地球から離れていった。
 アンテナが本来の位置を見つけられず、交信も途絶えた。
 「宇宙の迷子」となったのだ。
 JAXAの川口淳一郎教授は「執念と忍耐、そして祈りの日々だった」と振り返った。

 7週後、奇跡が起きた。
 「はやぶさ」の位置確認に成功し、交信が再開されたのだ。
 まさに満身創痍(そうい)だった。電気を供給する太陽電池の一部も破損していた。
 頼れる装置は電気が必要なイオンエンジンだけだった。
 イオンエンジンを動かすため、4カ月間という長い時間をかけ、太陽電池を充電した。
 急速に充電すれば、破損した電池4セルが爆発する可能性があったためだ。
 「はやぶさ」はその間、微弱な太陽光圧を利用し、「迷子」になるのを逃れた。

 しかし、計画は大幅に遅れ、07年に地球に帰還するための軌道に乗るチャンスを逸した。
 帰還するには、周期が違う地球と「イトカワ」が、公転中に最適の位置にある時期を選ばなければならない。
 その時期は3年に一度、巡ってくる。
 「はやぶさ」は再び「宇宙の旅人」になった。
 その間に、残ったイオンエンジンも4基のうち3基が壊れた。
 しかし、何とか地球と交信し続け、方向を失うことはなかった。

 「はやぶさ」が残ったイオンエンジンに点火し、軌道に乗ったのは10年1月1日。半年後に地球の大気圏に突入し、「はやぶさ」自体は流れ星のように燃え尽きた。
 そして、7年間の旅の成果であるカプセルだけを地球に落としたのだ。

東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員








[◆ あの感動をもう一度 ◆]


「イトカワ」を狙え 第三話:最終編感動 はやぶさ探査機 帰還の瞬間  そのとき・・ はやぶさの声
http://www.youtube.com/watch?v=JUfTDkhAZg0&feature=fvw




はやぶさ 各機関再突入映像のまとめ
http://www.youtube.com/watch?v=N-_fmqCQocI&feature=related




(2010年9月22日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/science/news/20100922-OYO8T00226.htm

「はやぶさ」…最期の輝き、満月の2倍
はやぶさが地球に突入した際の最大の発光時。左側の小さな光がカプセル(国立天文台提供)

 約60億キロ・メートルの宇宙の旅から帰還した小惑星探査機「はやぶさ」は、燃え尽きる際に満月の約2倍の明るさで輝いたことが、国立天文台などの観測でわかった。22日の夜は中秋の名月。満身創痍(そうい)でオーストラリアにたどり着いたはやぶさの最期の輝きに、遠い日本から思いをはせてはいかがだろうか。

 国立天文台などは今年の6月、はやぶさが大気圏に突入する様子をオーストラリア南部で観測した。その明るさは最大でマイナス13等ほどで、満月の約2倍、北極星の約100万倍もの明るさになっていたことがわかった。

 はやぶさは大気圏に突入するとき、300個以上もの破片に分解した。個々の破片の表面がそれぞれ輝いたため、それを合わせた明るさが月を大きく超えた。

 現地で観測した渡部潤一・国立天文台教授は「はやぶさの輝きは、いわば人工の流星。はやぶさは素材がわかっているので、その輝きの分析を本物の流星の研究に役立てたい」と話している。









● 花いろいろ