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● メジロ:Silvereye
朝方散歩に出かけたら、珍しい鳥に会った。
「メジロ」と「クイナ」
こちらの鳥については「クカバラ」を書いた。
次は日本の鳥のニュースを取り上げてみようと思っていたところなので、ちょうどいいタイミング。
まずは「メジロ」から。
昨日のニュースがこれ。『
産経ニュース 2010.6.4 14:05 19時間前
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100604/crm1006041405018-n1.htm
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メジロなど違法飼育の男を逮捕 兵庫、14羽押収
捕獲や無許可飼育が禁じられている野鳥を自宅で飼育したとして、兵庫県警生活環境課と伊丹署は4日、鳥獣保護法違反容疑で、同県伊丹市昆陽泉町の鉄工所経営、梶田通博容疑者(69)を逮捕、自宅を捜索し、メジロなど計14羽を押収した。
「飼ってはいけないと分かっていた」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は、4日午前9時ごろ、伊丹市の自宅で許可を得ずに捕獲したメジロやウグイスのほか、ホオジロ、オオルリなど5種計14羽を飼育していたとしている。同課によると、梶田容疑者は4月ごろに伊丹市周辺の山林で、捕獲用の「かすみ網」を使ってメジロなどを収集していたとみられる。
野鳥の密猟を防ぐ活動をしている全国野鳥密猟対策連絡会(京都市)の通報を受けて県警が捜査していた。引き続き、梶田容疑者が違法飼育を始めた時期などについて調べる。
』
この手のニュース、以前にも見たことがあるので探してみた。
『
毎日JP
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20100511ddlk27040350000c.html
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違法飼育:メジロなど43羽 容疑で検挙
住之江署は10日、違法に捕獲したメジロやウグイスなど43羽を自宅で飼育していたとして、大阪市住之江区住之江3の無職男性(66)を鳥獣保護法違反の容疑で検挙した、と発表した。
男性は「違法と分かっていたが、鳥の声が好きで飼っていた」と容疑を認めているという。
住之江署によると、男性は2002年から自宅近くでメジロやウグイスを捕獲し飼育。
鳥は自宅の土間で飼っていたという。同署が10日に男性宅を捜索し、鳥43羽のほか捕獲のための道具など計54点を押収した。
大阪府では許可があればメジロ1羽まで飼育できるが、ウグイスは飼育が禁止されている。
● 押収されたメジロ=大阪・住之江署
』
メジロという鳥、これ稿頭の写真のようにひじょうに可愛い。
目玉の周りがクルリと白いのが何とも愛嬌があって清楚。
警察に捕まった人が、飼ってみたいと願うのは不思議ではない。
ツチノコは飼いたいとは思わないが、こちらは触手が動く。
ウグイスは飼育が禁止されているようです。
でも、メジロは一羽なら飼ってもいいようですね。
一羽飼ったら二羽飼いたくなるのが心情。
でもダメ。
ひじょうに小さくて素早い。
同じような大きさの鳥と一緒にいるとき、区別するのは目の周りのリング。
でもちょっと離れればその動きの鋭さから認識するのはまず無理。
よって写真に撮って、あとから拡大して、
「オー!、メジロだ」
と、感激するわけ。
今日写っていたのは下の5枚。
どれも出来悪。
メジロに出会えるのはタマにですので、会ったときは望遠にしてめったやたらその方向に向かってシャッターを切る。
めくら打ちですので、写っていないのが常。
パソコンの拡大スクリーンでこの姿を見つけたときは「バンザイ」となるわけです。
最後の写真などはお尻のみ。
なを稿頭の写真は、以前に撮ったものです。
和名は「ハイムネメジロ:灰胸メジロ」
下の写真と見比べてください。
まったく同じですね。
ほのぼのニュースもありました。
『
沖縄タイムス 2010年5月11日 09時45分
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-05-11_6381/
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メジロ子育て奮闘中 名護の農園 巣にヒナ3羽
名護市振慶名にある末吉幸雄さん(57)農園で、メジロのつがいが子育てに精を出している。高さ1メートルほどのマッコウの木に作られた巣にはヒナが3羽いて、親鳥が約20分おきにエサを運んでくるという。末吉さんは「元気に育ってほしい」と巣立ちの日を楽しみにしている。
末吉さんが、巣があることに気づいたのは今月初めごろ。「チーチーチー」と鳴き声が聞こえるマッコウを調べたところ、枝の内側に巣を発見した。親鳥は一度別の木に止まり、辺りを警戒してから、巣にエサを運んでいる。
妻の悦子さん(57)は「農園は4年になるが、メジロが巣を作ったのは初めて。親鳥が献身的にエサを運ぶ姿がほほえましい」と目を細めている。
● 辺りを警戒しながら巣に向かう親鳥=名護市振慶名
』
メジロと言えば目白。
山手線の駅名。
ここは大学等がある高級文京地区。
大隈重信の旧邸である椿山荘、あるいは田中角栄の角栄御殿などがあるところ。
昔はこの辺はメジロの群れ住むところだったのでしょう。
鳥の名前がそのまま地名となりました。
そういえば、山手線の反対側に当たるのが鶯谷。
ここはウグイスの宝庫であり、これも地名として残ったところである。
メジロとウグイスは昔から人々に愛でられた鳥のようです。
先の記事に「鳥の声が好きで飼っていた」とありますが、ウグイスの鳴き声は有名ですが、メジロの鳴き声はどういうものでしょう。
度々写真を撮っていますので聞いているはずですが、メジロと確認できるのはパソコンのスクリーンに映し出したときなので思い出せません。
YouTubeにありましたので載せておきます。
『
メジロの囀り
http://www.youtube.com/watch?v=LXSPL43peaY&NR=1
』
[注 2010/10/06:ハイムネメジロのさえずり]
ハイムネメジロのさえずりが採録できました。
ビデオの中央で動いているのがメジロですが、あまりに小さくて見にくいです。
聞き比べてみてください。
● ハイムネメジロのさえずり
目をつぶって聞いていると全く同じに聞こえます。
さて、本題の「クイナ」にはいりましょう。
一昨日、沖縄でセンセイーショナルなニュースがありました。
「野生生物非常事態宣言」
が発令されのです。
『
八重山毎日新聞 2006/06/04
http://www.y-mainichi.co.jp/news/16111/
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イリオモテヤマネコ、カンムリワシ被害急増
● 野生生物の交通事故多発で非常事態を宣言した奥田所長
【那覇】環境省那覇自然環境事務所(奥田直久所長)は3日、県庁で緊急会見を開き、イリオモテヤマネコやカンムリワシ、ヤンバルクイナなど国の天然記念物に指定されている野生生物の交通事故が2010年に入って多発していることから、「非常事態を宣言」した。
イリオモテヤマネコの事故件数は1990年代までは年間1件強のペースだったが、2000年以降は約2件に増加。
今年に入ってからはすでに3件発生している。
目撃件数についてもこれまで年間100件前後だったが、2000年代後半からは増加傾向にあり、2009年には300件以上の報告があった。
事故に遭ったイリオモテヤマネコはいずれも幼齢や老齢、若い個体となっており、はっきりとした原因はわかっていないが、同事務所では生息環境の変化や縄張りに入りきれない弱い個体が道路に出てきているのではないかとみている。
カンムリワシの事故は2008年に11件、2009年17件だったのに対し、今年は6月1日までに16件発生。
梅雨の時期には餌となるカエルなどが道路に出てくるため、それを捕獲するためカンムリワシも路上に姿を現す光景も確認されている。
ヤンバルクイナについても、6月1日までに14件発生しており、年間23件発生した2007年の過去最悪ペースを上回る可能性が懸念されている。
数年前まで幻のネズミとされていたケナガネズミも目撃情報が増加しており、2008年までは1、2件だった事故件数も2009年は5件、2010年は6月1日までに7件発生している。
会見で奥田所長は
「野生生物の事故数が増加しているが、その多くは車の速度を落とすことで防げる。事故発生地点などでは看板などを設置しているが、事故発生区域では目線を下に移すなど注意して運転してほしい」
と呼び掛けた。
また、イリオモテヤマネコについては、ヤンバルクイナのような連絡会議が設置されていないため、今後は国や地方公共団体、専門家、保護活動団体、地域住民など関係者間の連携を図った機関の設置も検討していく。
《 推定生息数 》
イリオモテヤマネコ:約100頭(2008年調べ)、 カンムリワシ:131羽(2006年)、 ヤンバルクイナ:約1000羽(2008年)、 ケナガネズミ:生息数不明。
』
日本で有名なクイナといえば、沖縄の「ヤンバルクイナ」
その生息数は千羽ほどと見積もられている。
その数少ない鳥の交通事故が今年すでに「14件」も発生しているという。
そのうち13羽が死んでいる。
ということは事故にあって助かったのはたったの1羽になる。
生息数が1,000ほどで年間の交通事故が約30件とすると、これちょっとヤバイ。
ちょっとどころか相当やばい。
そこで「非常事態宣言」発令という仕儀になってしまったようだ。
そのたった一羽のあやうく命をとりとめた事故のニュースを。
『
琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-162586-storytopic-1.html
ヤンバルクイナ うずくまる雄を通勤女性が発見2010年5月25日
● 今年に入って初めて生存したまま搬送でき、一命を取り留めたヤンバルクイナ
=24日= うるま市前原のNPO法人どうぶつたちの病院
【うるま】うるま市前原のNPO法人どうぶつたちの病院(長嶺隆理事長)は24日、国頭村でヤンバルクイナの交通事故2件が発生したと発表した。
1羽は死んだが別の1羽は同病院の措置で命を取り留めた。
クイナの交通事故は今年に入って14件目で13羽が死んでいる。
前年同月比で5件増(24日時点)で長嶺理事長は「5月時点で14件の事故は過去最悪。
運転時には気を付けてほしい」と呼び掛けている。
事故に遭ったのは2羽の雄のヤンバルクイナ。
1羽は23日午後2時20分ごろ、国頭村与那の県道2号で動けなくなっていたのを通行人の男性が発見し通報。
環境省職員が現場に到着した時には既に死んでいた。
24日午前8時前には、同村楚洲の県道70号で道路にうずくまっているクイナを通勤途中の女性が発見。
環境省職員が同病院に運んだ。
全身打撲を負っており、腹部に卵を抱いていたとみられる跡があるという。
長嶺理事長は
「発見時に生存していても、連絡網が十分でなく死ぬケースが多い。行政も具体的な対応をしていかなければならない。けがをしたクイナを見つけたら連絡してほしい」
と話した。
』
沖縄の皆さん、そして沖縄をドライブするみなさん。
くれぐれも「非常事態宣言」が発令されていることを忘れることなく、ハンドルを握ってください。
「ヤンバルクイナ」という名前は聞いたことがあるが、どういう鳥か知らない人も多いと思います。
新聞記事を載せておきます。『
琉球新報 2007年9月19日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-27301-storytopic-64.html
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クイナの仲間たち
沖縄でクイナと言えばヤンバルクイナであるがクイナの仲間は世界中に約130種が知られている。
日本国内では「12種」が記録されている。
実は国内ですでに絶滅していたクイナがいた。
東京都小笠原村硫黄島に生息していた「マミジロクイナ」は東南アジアの島々に広く分布している。
が、1911年以降、確かな記録が無く、トキやコウノトリと同じように国内産が絶滅したと考えられている。
残りの「11種」すべて沖縄県内でも記録がある。
周年見られるのは「5種」である。
「バン」は方言でクミラーとかフミルと呼ばれ、水田などの湿地帯の草地を住みかにしている。
「ヒクイナ」は足が赤くおなかからお尻にかけて横縞模様が有り、小さなヤンバルクイナと度々間違えられる。
「シロハラクイナ」は1975年ごろ名護市で繁殖が確認され、それが日本初記録とされた。
それまでの主な生息域は台湾から南、インドまでの広い範囲である。
その後この鳥はものすごい勢いで増え、1980年には私の実家(名護市仲尾次)の庭先を闊歩(かっぽ)するようになり、庭木でも繁殖した。
この鳥が沖縄在来のクイナ類と異なる点は巣の位置が地上でなく樹上という事だ。
現在でも分布を拡大し、北上を続け、九州、四国、本州の一部で繁殖が報告されている。
先島にはくちばし、足ともに黒くヒクイナに似た「オオクイナ」がいる。
やんばるには日本で唯一、無飛翔力の鳥「ヤンバルクイナ」が生息している。
沖縄本島から飛び出ることのない、島を代表する鳥である。
2004年、国頭村議会は9月17日(917)を村の鳥、ヤンバルクイナの日と制定し、保護の重要性を訴えた。
クイナのその記念日が永く続く事を願うばかりだ。
(金城道男、NPO法人どうぶつたちの病院理事)
』
つまり周年でみられるクイナは下記の5種類という。
1.バン
2.ヒクイナ
3.シロハラクイナ
4.オオクイナ
5.ヤンバルクイナ
そして「ヤンバルクイナ」は日本で唯一の無飛翔性の鳥だという。
無飛翔性とは「飛ばない鳥」ということである。
飛べないため、交通事故に会う確率がすこぶる高いということでもある。
Wikipediaによると、
「翼は退化しており体重に比べて翼面積が小さく羽ばたきに必要な筋肉も発達していないため、日本で唯一の無飛翔性の(飛ばない)鳥となっている。
対照的に脚の筋肉はよく発達しており茂みの中を走ることができ、地上生活への適応を示している。
寝る時は木の上で眠っている。」
とある。
なら、寝るときどうやって木の上に上るのでしょう、ちょっと素朴な質問だが。
「NPO法人どうぶつたちの病院」のサイトにヤンバルクイナの写真があります。
『
NPO法人どうぶつたちの病院
http://www.google.co.jp/imgres?imgurl=http://yanbarukuina.jp/info/images/kuina01.jpg&imgrefurl=http://yanbarukuina.jp/info/20050417.html&h=252&w=300&sz=30&tbnid=oKceFjOPxfNJzM:&tbnh=97&tbnw=116&prev=/images%3Fq%3D%25E3%2583%25A4%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2590%25E3%2583%25AB%25E3%2582%25AF%25E3%2582%25A4%25E3%2583%258A%25E3%2581%25AE%25E5%2586%2599%25E7%259C%259F&hl=ja&usg=__qU3fi75nbXUK2Ym3ZR9XGKp_Nxw=&sa=X&ei=Dr4JTJimNcKvcLigmfsN&ved=0CCAQ9QEwBA
● 治療中のヤンバルクイナ
● 手術を終え、患肢を使って立つヤンバルクイナ
』
「飛べない鳥」というのは根本的に鳥の生態を失っている。
しかし、鳥。
なぜ飛べなくなったか。
クカバラのように食いすぎて飛べなくなり、それが遺伝子として今日に引き継がれたということはちょっと考えにくい。
何か要因があったのだろう。
足が進化したトカゲもいるし、退化したトカゲもいる。
進化論が適用できる世界である。
ビデオがYou Tubeにあります。
『
ヤンバルクイナのつがい
http://www.youtube.com/watch?v=MH7Q6J7HPmo
短編 ヤンバルクイナ
http://www.youtube.com/watch?v=DOGPoEJtcQY&feature=related
』
クイナは漢字で書くと「水鶏」となるそうです。
でもそうは読めない。
「スイケイ」となるだろう。
「久比奈」が当て字のようである。
この地ではメジロにはたまには会える。
ほとんど会えないのがクイナ。
ここのクイナは「ナンヨウクイナ:南洋水鶏」
いわゆる沖縄の「ヤンバルクイナ」の親戚。
「クイナは運次第」と言われているように、出会うのが難しい。
クイナの住むと思われる場所で、会えるか会えないかと運ダメシをしたことがあるほど。
さほどに出会いが難しい。
が、である。
今日、グレイト・バージョンでこの鳥に出会ってしまった。
ジックリと観察させてもらいました。
ウソでなく、これほどの幸運、本当に本当にはじめてのこと。
今日は「超大運」である。
そこそこ大きさもありますから飛ぶ鳥なら目で見ることができます。
だがこの鳥、草むらにもぐりこむ。
それに臆病で、気配を感じるとサッと姿を消す。
飛ばないで、草の下へ。
こうなったらどうにもならない。
カサツとも音を立てずに消えてしまいます。
が、今日は何とその全姿を橋の下のクリークに晒して、あちこち動きまわっていた。
ヒヘー!、こんなことはじめて。
まずはカルガモと。
これで大きさの見当がつくでしょう。
● ナンヨウクイナ:Buff-Banded Rail
そして、その姿と器量を。
ヤンバルクイナと比べてどうでしょう。
こちらの方がちょっと明るい感じかな。
ヤンバルクイナの生息数は千羽ほどで絶滅の危機に瀕しているとのことですが、この地のナンヨウクイナはまだまだ大丈夫のようです。
「非常事態宣言」を出すということは当分ないでしょう。
でも全体的にはこの生息数も減ってきているようです。
「飛べます」ので沖縄のように交通事故に会うことはありません。
● クイナが飛んだ!
この地で交通事故に会うとしたら、タテガミガンとカルガモのファミリーにほぼ決まっています。
このダックたちは集団で幹線道路を横断してしまうほどに勇気があります。 でも子どもたちは飛べませんから、勇気というより人間側からみると無謀。
勝手に道路なんぞを作って、「左右を見てわたりましょう」なんて看板たてる人間も悪い。
ダックに読めるはずがないことを知っていながらやっている。
今日撮った「ナンヨウクイナのビデオ」を You Tube で載せておきます。
なを、クイナ科に分類される鳥で「バン」というのがいます。
「鷭」と書きます。
先の記事によれば「周年でみられる5種類のクイナ」の一つです。
● バン:Wikipediaより
東日本では夏鳥で、西日本では留鳥となる
ここにもバンは生息しています。
和名で「ネッタイバン」という種類になります。
もちろんそのまま「熱帯鷭」
以前にクリークで撮った写真を載せておきます。
● ネッタイバン:Dusky Moorhen
● 花いろいろ