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送ってくれたのは写真の「万楽 鬼ころし 清酒200ml」紙パック1ケ。
製造元は「清洲桜醸造」。
ここで出しているのが「信長 鬼ころし」。
これ、昔飲んでいたヤツ。
100ケもあればどこの鬼ころしか覚えていないのがふつう。
でもこれは覚えていた。
というのは「信長」という個人名称が入っていたからだ。
「信長」と「鬼ころし」のネーミングは合う。
「鬼より怖い信長」、そんなイメージがある。
なにしろ、天皇でも手の出せない比叡山を焼き打ちにして、グータラ坊主をきれいに一掃してしまったというコワモテ。
「鬼殺し」くらいは、即座にやってのけそうな人物。
それがネーミングされていれば忘れようにも忘れない。
インターネットで検索していたら、ユーチューブに「清洲城 信長 鬼ころし」のCMソングが載っていた。
ちょっと、コワモテとは落差が大きいが。
『
You Tube (ビデオ)
CM 清洲桜醸造 相葉カオル 鬼ころし 飲み友達は妻
http://www.youtube.com/watch?v=qBnkIIR5QeA
http://www.youtube.com/watch?v=vrdchlUY8Kg
』
ついでに清洲桜醸造を県のあいちまNAVIから紹介しておこう。
『
あいちまNAVI 清洲桜醸造
http://www.aichima.net/navi/sake/kiyosu/index.html
』
では「万楽 鬼ころし」というと、これがない。
この会社で出している日本酒一覧を見てみた。
『
清洲桜醸造 日本酒一覧
http://mognavi.jp/store/17633
』
やはり、ない。
写真のようにパックには「清洲桜醸造」と明瞭に印刷されている。
会社を間違えるわけはない。
ならズバリそのもの、「万楽 鬼ころし」という」キーワードで調べてみた。
2つ出てきた。
言い換えると、たった2つしか出てこない。
なんという情けなさ。
その1つ
『
SHOP99
http://www.shop99.co.jp/fan/index.html
-------------------------------
売れ筋ランキング! 「99円(税込\104)」のお酒
1位 清洲桜醸造 万楽鬼ころし (200ml) \99(税込\104)
2位 福徳長酒類 博多の華 (200ml) \99(税込\104)
3位 オリジナルブランド すぅーっとおいしい清酒 (180ml) \99(税込\104)
4位 木村飲料 麦焼酎水割 (250ml) \99(税込\104)
5位 清洲桜醸造 楽園梅酒 (180ml) \99(税込\104)
』
おおなんと!、このお酒、コンビニ専用の100円パックだったのである。
清洲桜醸造はこういうセコイ商品は製品リストに入れない、ということか。
でも、ちゃんと「楽園梅酒」は上の一覧の中に入っている。
上の写真はそこからコピーしたもの。
とりあえず「99」であっても、売れ筋No.1なのに紹介がないとは、どういうことだろう。
2つ目はこのサイト。
『
掃除機庵主人
http://shojiki496.blogspot.com/2009/01/blog-post_30.html
------
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武蔵之国一之宮 鬼ころし
黒田藩正宗 鬼ころし
富久娘 赤顔の鬼ころし
万楽 鬼ころし
いい加減につけたとしか思えないネーミングがちらほらと見かけるな。
』
なんとここには約80ばかりの「鬼ころし」のリストが載っている。
この最後に、かろうじてその名を止めているのが「万楽 鬼ころし」。
とりあえず、「99」でしか売っていないようなお酒を、たいまいな航空郵便料金を払って海外に送ってきたということである。
あまりの幸せに涙も出ない。
水も枯れてしまった?
通常ならここで次へといくのだが、そうもいかない面白いものに出会った。
佐藤愛子著 「ウララ町のうららかな日」。
『
● 昭和63年2月
小村徳太郎は小村トメの息子である。
生まれた月日はわからない。
生まれた場所はウララ郡ウララ町チキシャブのオニゴロシの浜だという。
しかし「オニゴロシの浜」 は、ウララ町の地図を探してもどこにもない。
古老に訊いても「知らね」という。
「ウララ町にはババゴロシという地名はあるが、オニゴロシというのは聞いたことねえ」と古老はいう。
オニゴロシはババゴロシの間違いではないかという人もいる。
ババゴロシはウララ町から北東のニシュウチヤへ向かう山の中である。
昔、出稼ぎに出た息子の後を、息子恋しさにの一念で追っていった老婆が、山道に迷って谷底に墜死した、その場所をババゴロシというのだ。
徳太郎はチキシャブのオニゴロシの浜の、ドングリの葉陰で生まれたといわれている。
この地方ではイタドリのことをドングリという。
そのイタドリの葉の重なりの陰で、徳太郎は生まれたという。
たまたま昆布拾いに海岸へ来た老婆が赤子を産んでいるトメを見つけ、そのへんに転がっていた欠茶碗を拾って臍の緒を切り、イタドリの葉っぱに包んで渚へいって、海の水で洗った。
それから自分の腰巻を外し、それで赤子を包んで連れて帰った----。
それが徳太郎の誕生について知られているすべてである。
徳太郎という名は誰がつけたのか、わからない。
その老婆もどこの誰か、わからない。
徳太郎がどんな子どもであったか知っている人は誰もいない。
』
小説の没頭に出てくる一節である。
どう考えたって「うららかな日」の書き出しには相応しくないと思うが。
この程度で「ビクツイチャ、あかん」というのが佐藤愛子特有のスタンスなんだろう。
でもなんで、この時期に読んでいる小説に「オニゴロシ」が出てくるのか、ちょっと不気味。
さらに「ババゴロシ」なるものも出てくる。
オニゴロシの対にババゴロシがあるとはまるで気がつかなかった。
「オニゴロシ」は聞いたことあると思いますが、「ババゴロシ」はどうですか。
わたしははじめてでした。
ところで「ババゴロシ」っていうのはあるのでしょうか?
これが、あるのです。
調べてみたら、本当にあるのです。
事実は小説より奇なり、です。
紹介しておきましょう。
『
ようていメロンのページ
http://www.mitizukanouen.com/meron1.html
メロンの来た道(農文協)
------------------------
メロンには実に沢山の仲間がある。
しかも古代から栽培されていて、雑草メロンと呼ばれる野生種も世界各地に生えていることから、もともとどのあたりが原産地なのか、よくわかっていない。
それでもアフリカと中近東と中国の3カ国が原産地と考えられている。
ヨーロッパのネットメロンの原産地はアフリカと考えられている。
マクワウリなどネットのないものの原産地は中国と考えられている。
いまでは、暑すぎたり寒すぎたりしない国でなら、どこでも。
さまざまなメロンの仲間が作られている。
日本在来のメロンの仲間(農文協)
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日本にメロンの仲間がやってきたのは、弥生時代や古墳時代に朝鮮半島や南方からと考えられている。
インドからは[ババゴロシ]と言う名のメロンがやってきて、いまでも福江島や八丈島で作られている。
これは熟すと粉々になって、これを食べたおばあさんがノドを詰まらせたのでこんな名前がついたらしい。
また瀬戸内海の島々には雑草のような野生のメロンが生えていて、ボンテンウリ(梵天ウリ)、オショロ(お精霊)など仏教に関係した名前が付けられている。
江戸時代から子供のおもちゃにもされている小型のメロン(コヒメウリ)は、いまでも新潟の新津や村上などでお盆の仏壇の飾り用に栽培されている。
』
ババゴロシとはメロンの名前だったのである。
形状は楕円形で皮は緑でスイカのような黒い縞があるそうである。
世の中は不思議だらけである。
写真がありました!
『
夏:ウリとひょうたん
http://www.rekihaku.ac.jp/kikaku/index67/index.html
主催: 国立歴史民俗博物館
開催期間: 2002年7月23日(火)~9月29日(日)
開催場所: 国立歴史民俗博物館くらしの植物苑
入苑料: 通常入苑料に含みます。
平安の都人が食べたといわれるモモルディカメロン
(八丈島ではババゴロシと言われています)
』
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● 花いろいろ
◇].
さらに大きな写真がありました。
『
ももるでぃかめろん
http://ken.anyuser.ne.jp/flowermomorudhikameron.html
モモルディカメロン [うり科]
学名:Cucumis melo var. momordica
ウリ科キュウリ属の蔓性一年草。
平安時代を中心に貴族社会で普及したが、その後絶え、現在は東京都八丈島と長崎県福江島で栽培されている。
一見スイカのようにもみえるが甘味はあまりない。
果実は水分が少なく、果皮は皮をめくるように剥がれる。果実が粉質でのどをつまらせることからとくに八丈島ではババゴロシといわれている。
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撮影 2003.7.20 くらしの植物苑
』
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