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● Iron Chef :アイアンシェフ
「よみがえるがいい、アイアンシェフ」
土曜日の8時半から9時半まで、SBSで「Iron Chef 」をやっている。
ちょうど今終わったところ。
といっても、日本でやったものの再放送をいまここでやっているのだが。
今日は「はじめての寿司対決」。
よって、「ひとりだけ、よみがえるがいい」、三代目和食の鉄人:森本正治。
対するは竹中直人推薦の江戸前寿司、四ツ谷「すし匠」オーナー。
四ツ谷は少しばかりだが土地勘がある。
と同時に、森本正治の寿司は日本の寿司ではなく、地球寿司というか、世界寿司というか、21世紀寿司というか、そういったたぐいの寿司であり、ここで食する寿司は、そのグローバル的な寿司に連なる味を持っている。
つまり、森本寿司に対する寿司勘もある。
もし、日本にいたら森本の出す寿司を「これが寿司か?」という判断を下すであろうことは間違いない。
● 左から陳建一、坂井宏行、鹿賀丈史、森本正治、神戸勝彦
さて一夜があけた。
少し調べてみようと思う。
この放送は「1999年6月18日 」に放映されたものである。
ということは11年前にあたる。
挑戦者の中澤圭二 さんは「江戸前鮨の伝承者」ということになっている。
「すし匠」のホームページはなく口コミでやっている高級店。
よって「livedoor グルメうまい! おいしい!」から転載してみます。
どのくらい高級かというと、夜いくと「15,000~25,000円」。
とても私などの行かれるところではない。
そこのオーナーにして板前なのだから腕は確かなもの。
『
livedoor グルメ うまい!おいしい!おすすめクチコミグルメ情報が満載
http://gourmet.livedoor.com/restaurant/17004/evaluation/detail/259314/199614/
すし匠 はな家与兵衛
(すししょうはなやよへい)
夜:15,000~25,000円
』
対するアイアンシェフ森本正治を Wikipedia から。
『
三代目:森本正治(もりもと まさはる)
先代の中村の引退直後、1998年2月に「ニューヨークからやって来た鉄人」の触れ込みで番組に登場。
コスチュームカラーはシルバーに赤線というウルトラマンのようなもので、背中には日米の国旗を結わえた絵柄が入っていた。
番組では「料理界の織田信長」と称されている。
かつては寿司職人だったが、ニューヨークへ渡り、「ソニークラブ」総料理長を経て、鉄人就任時は「NOBU」総料理長を務めていた。
道場、中村とはまた違った「ニューヨーク仕込みの和食」「地球料理」を見せつけ異彩を放った。
ただし、道場の頃とは違い、審査員も多様化、また評価を厳しくしており、とくにこの時期、準レギュラー的に審査員を務めていた加納典明とは審査中もしばしば料理への考え方の違いで衝突するなど、苦労させられたようである。
坂井や石鍋が、若手フレンチ集団「クラブ・ミストラル」と対立したように、かつて坂井をタコ対決で倒した関西料理界の重鎮、大田忠道は森本の創作和食を激しく非難し、自身が主催する「太田天地(あめつち)の会」から次々と会員を挑戦者として送り込むなど、因縁の戦いを繰り返した。
2001年11月、フィラデルフィアに「MORIMOTO」を開店、オーナーシェフを務めている。
2005年からアメリカ合衆国で放送されている"Iron Chef America"でも鉄人を務めた。
』
食材は5つ。
マグロ、こはだ、アナゴ、卵、そしてカンピョウ。
マグロはとろ、こはだはヒカリモノ、アナゴは湯を通すことになる。
寿司職人の腕は卵で判るという。
というのは米は高級米を使えばうまいに決まっているし、魚は新鮮にして高いものを使えば味はよくなるに決まっている。
よって腕の見せ所はタマゴということになってしまうわけである。
江戸前寿司の挑戦者の米はもちろん国産コシヒカリで新米8割に古米2割を混ぜている。
アイアンシェフの使う米はアメリカ産のカリフォルニア米。
コシヒカリとアキタコマチを半々に混ぜて使っている。
となると、米の味で勝負するというのはちょっと無理がある。
料理一本に絞られてくる。
江戸前鮨についてはいろいろ知識があろうから語ることもない。
タマゴについてはアイアンシェフは寿司雑炊を作っていた。
寿司雑炊って聞いたことあります?
ならカンピョウはというと、なんとなんとアイスクリームになった。
寿司料理にアイスクリーム?
子どもならいざしらず大の大人がお寿司屋にいって「アイスクリーム」を注文したら怒られるだろう。
ちょっとこのアイスクリーム、アイスクリームメーカーの調子が悪かったせいかうまくいかなかったが。
ビデオでもとって繰り返して見て、文を書けばいいのだが、ビデオデッキがないので一回みただけで書いているので、料理全体については述べられない。
ただ気のついたことのみを書いている。
さて、審査結果はこうなった。
鉄人 挑戦者-----------------------------------------------
栗本慎一郎 20 17
小林 亜星 15 17
浅田美代子 20 16
岸 朝子 19 16
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判定は「鉄人、森本正治」
寿司というのは料理の幅が限定されている。
それに「伝承者」なる肩書きを背負うとなかなか自由がきかなくなる。
だがこの料理の幅が限定されるというメリットを生かして昨今世界で勢いを増しているのが「Sushi Shop」。
ここでも大きなショッピングセンターにいけば必ず「Sushi」がある。
最初は日本人であったが、勢力を伸ばしているのは韓国人、中国人のお寿司屋さん。
つまり、素人でもできるのがスシ屋である。
たとえばアメリカでは「sushi」とはアジア料理であって、日本料理ではなくなっている。
『
★ 産経新聞 2006/12/10
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/shoku/061210/shk061210000.htm
現在全米に「日本食」を掲げるレストランは9,000店あり、10年間で2.5倍に増加。
このうち日本人、日系人がオーナーの店は10%以下に過ぎず、経営者の多くが中国、韓国などアジア系の移民という。
和食激戦地のニューヨーク市マンハッタン・ミッドタウンにある小さな和食店もそのひとつ。
オーナーをはじめスタッフは全員中国人で、顧客の9割以上は米国人という。
』
十年ちょっと前まではスシは嫌われていた。
シーウイード、つまり「海苔:ノリ」が嫌われたのだ。
いわく「ブラック・ペーパー」。
「ノリ」とは「汚い」の代名詞になっていたほどである。
「汚い紙に包む料理」、それが寿司だったのである。
よって、寿司は日本から進出した高級レストランがほそぼそとやっていただけである。
ところが最近は、プラスチックパックに入ったそののり巻きをショッピングセンターのsushi-shopで売るようになり、スーパーマーケットではノリが普通に棚にあり、スダレもあり、スシ料理道具一式セットまで売られるようになっている。
テレビではsushiの作り方という料理番組すらみるようになった。
いったい何が、ノリから「汚い」のイメージを追放させたのであろうか。
これはちょっと、わからない。
ただスシが普及した理由は分かっている。
ダイエットである。
肉から米へという主食の変化が底流にある。
肥満に悩む連中が、米に眼をつけ、「ライスの食べ方」を取り上げた。
それが、スシというか海苔巻を広め始めた。
それが世界寿司である。
ではこの世界寿司と日本寿司の決定的なちがいは何か。
根本的違いは、
「酢飯を使わない」
ことである。
たとえば、日本でも毎日寿司が食えるかというと、二日食べたら食傷する。
でもご飯は毎日食べられる。
それはなぜか。
この違いは「酢」にある。
スシをダイエット食にするには酢を抜くこと、これによって Sushi が日常のものになったのである。
ではなぜ寿司に酢を使うか。
寿司がナマモノ、つまり魚の身を使うため臭みあり、それを消すためにご飯を酢で処理している。
もうひとつは、ナマモノのため解毒を兼ねて酢が使われている。
消臭と解毒、これが米を酢飯にしなければならないという理由と言われている。
つまり原因はひとつ、生魚をそのままま食する、という行為にある。
ところが、世界に出るとこの原因がなくなる。
世界の大半に人は生魚を食べない。
よって、寿司から酢が消えた。
これが、Sushi を大普及させた。
つまり「酢のない寿司」である。
それが「世界寿司」である。
以前は郊外に住んでいたので、街中まで食事ででることはあまりなかった。
老齢になり、なんでも近場で間に合うところというのを主に引っ越した。
ありがたいことに近くにスシ屋がある。
オーストラリアでスシ屋といえば、「スシトレイン」。
いわゆる回転寿司である。
オーストラリア人は日本のスシは回転して出てくると思っているが、そういうイメージを植えつけたのはこの「Sushi Train」の普及である。
昔は写真のようにオモチャの汽車に乗っていたらしいが、いまはこの汽車はなく普通の回転寿司である。
ときどき出かけるが、グルグル廻っているものを見てみると分かるが、ナマモノはサーモンのみ。
ここのサーモンはニュージーランド・サーモンでトロを上回るほどのおいしさ。
そういえばブリスベン近郊のショッピングセンターに入っていたスシ屋はサーモン専門のスシ屋であった。
ここは安くて、ボリュームがあって、実に美味しかった。
この近くにくると必ず寄った。
信じられないことであるが、サーモン専門のスシヤが街場のフードコートにあったのである。
でも「HANAICHI」というこの業種では大手にあたるところに買収されてしまい、サーモン専門ではなくなってしまった。
● Sushi Train
マグロも回転テーブルに出てくる。
が、生ではない。
バーナーで炙ってある。
いわゆる「炙り寿司」である。
火炎であぶることによって臭みを消している。
ついでに心理的な「生魚」のタブーも。
夕食がめんどくさくなると、スシトレインへいってちょっとつまんで帰ってくる。
サーモンにイカ。
イカは冷凍ものである。
おそらく日本からの輸入。
シーウイード(海草)に梅キュウリ。
ときどき、タコ焼きを食べる。
寿司屋でたこ焼き!!!
最後は鳥のカラ揚げかアジフライ。
この品揃えに日本人なら眼を丸くする。
でも、それが世界料理であり世界の日本料理。
何しろ客筋の9割以上が地元人。
日本人などめったに出会わない。
地元人にはもっとすごいのがいる。
若い女性の方。
入ってきて「素うどん」を注文して、それだけ食して帰っていった。
スシはいっさい目をやらないで。
そう、スシトレインにはウドンがメニューにあるのです。
最近すこしづつ流行ってきているのがこの「うどん」。
うどんというと「ヌードル」だが、ヌードルといえば中華、タイ、マレーシアといったところ。
ところがこのうどんが近年、ショッピングセンターの一角を大きく占めるようになり、「うどん食」が広がり始めているのである。
スシの次はウドンだろうか。
なら、ソバはどうだろう。
ショッピングセンターでは乾ソバを売っているが、スシトレインのメニューにはない。
ちなみに、ウドンは乾麺も生麺も売っている。
「生そば」なるものがない分(伸びてしまうのかもしれないが)、普及しないのだとおもうが。
でも、「新ばし」という日本そばレストランもあって、結構地元人も利用しているようである。
さてお勘定だが、20ドルほど、つまり1,500円くらいか。
「すし匠」の1/10。
まあ、我が家の家計ではそんなところか。
オーストラリアの回転寿司といえばスシトレインだが、そこに殴りこみをかけたのが「平禄寿司」。
ホームページによると「宮城県を中心に東日本で低価格回転すしチェーン」だそうである。
海外にはタイ、上海、そしてゴールドコーストとある。
● NAVITOUR より
● もらってきた「おしながき」
相当にスシトレインを意識してメニューが作られています。
なにしろスシトレインはガリバーですから、ちょっとのことでは対抗できない。
スシトレインにあるメニューのすべてがそろっています。
そう、たこやき、鳥カラ、アジフライ、餃子にお好み焼きまで。
子ども向けににケーキもおいてある。
もちろんウドンも。
さらに、BYOでビールの持ち込みまでできるという。
これから寿司戦争が勃発するかもしれない。
もうひとつ話題を。
どちらにも「枝豆」が廻っています。
残念なことにこちらの八百屋さんには枝豆は置いていない。
よって、日本からの冷凍もの。
これがよくさばける。
食べるのは、こちらの若い女性である。
日本ならビールのおつまみにとなるのだが。
● 花いろいろ