● CDブックレット表紙
行ってきました見てきました、TAO。
DVDを買おうとした。
みたことのあるもの。
「2年前と同じです」と係の人がいう。
ということは、このDVDどのくらい見たことか。
いっとき、毎晩のように見ていたことがある。
2枚あってもしかたがない。
「CDは新しいです」とのこと。
なら、といってそれを買った。
20ドル。
さて、TAOは。
芸風が変わりました。
少々、ドラマチックに。
いいのか、悪いのか?
「エッツ、これがあのTAO!、ウソだろう」
というほどに。
「ドラゴンボール」風?
いえ。
いや、もしかしたら少しばかりは。
オープニングはたしかに、「道:TAO」、中国4千年の歴史を思わせるような感じ。
というより、西遊記、孫悟空の世界を感じさせる。
というと、やっぱりドラゴンボール。
CDの表紙と同じになるが。
前回は7時に始まり、9時に終了だった。
よって子どももたくさんきていた。
TAOのドラムに歓喜していた。
が、今回は8時開始、30分の中休みを挟んで、前後45分づつ、計1時間半の演奏。
よって終わると10時。
小さな子どもは来ていない。
大人向けになっている。
実際、私の席の前に小学低学年の女の子がいた。
なんと、あの太鼓の演奏のなか、後半ではスヤスヤと眠っていた。
もう一つ。
日本人の数が、圧倒的に少なくなっている。
客席をみれば日本人がずいぶんいるな、と思えたのが前回。
今回は探すのに一苦労というほどにいない。
なぜか?
今回のTAOの公演は日本語新聞に載っていない。
ここには「日豪プレス」「サザンクロス」「バグース」という3つの月刊の日本語新聞がある。
それぞれエンターテイメントとか催し物とかの欄があるが、このどれにも載っていない。
わずかに、日豪プレスのネット版である「25today」に小さな記事としてあっただけ。
他の2紙はネット発信をしていないので、よって日本語情報はこれだけ。
『
ローカルニュース&イベント情報 - 2010年7月06日 |
日本の和太鼓グループ「TAO」豪州ツアー中 - 2010年7月06日 |
■TAOオーストラリア・ツアー
7月6日(火)~11日(日)The Palms at Crown, Melbourne
7月13日(火)Canberra Theatre Centre
7月15日(木)~17日(土)State Theatre, Sydney
7月20日(火)Civic Theatre Newcastle
7月23日(金)Gold Coast Arts Centre
7月24日(土)Concert Hall, Queensland Performing Arts Centre, Brisbane
Web: http://www.drum-tao.com/
』
インターネットをあやつる人をのぞいて、一般の日本人にはあまり知られることはなかったように思われる。
いわゆる口コミで知った人たちが多いのではないかと想像される。
図書館にはTAOのパンフレットが出ていたから、オーストラリア人にとっては十分にインフォメーションはできている。
市内に図書館の数だけで十数館あり、ここにはゴールドコーストの主要イベント情報はすべて集まっているといっていい。
よって、興味のある人は、図書館へいけばどこで何が行われるかの情報はたやすく手にいれられるようになっている。
今回、おそらく日本人は数パーセントもいなかっであろう。
もちろん、満席である。
TAOがその宣伝方法を変えているといっていいだろう。
ターゲットを地元人に絞ってきているということであろう。
さて、その変化したという芸風だが。
これまでのTAOは、といっても過去2回のオーストラリア公演しかしらないのだが、幕が開くそうそうに観客席を、
「TAOモード」
に引きこむ。
それは、突然に荒れ狂う爆風の中に体を晒してしまうような感覚である。
唖然として、逆い切れないビートの怒流に投げ出されるのだ。
ただただ「呆れ返る」としか言う言葉のないほどのすさまじいものである。
抗し難たい圧力のなかで、なんとか自分を保持するに苦労する。
自己を失い、引きずり込まれるのを押しとどめる。
しかし、すぐにそのプレッシャーがなんとも心地良くなって、腹の底からリズムがわきあがり、体全体が「ドッツ、どっつ」と波打ってくるのである。
「TAOの世界」にとらえられてしまうのだ。
もう、ここで自分がTAOにつかまえられてしまったと実感する。
これが、TAOの出だしである。
「恐るべきオープニング」である。
今回、それがない、ないのだ!
慎重なのだ。
強いていえば、パワーから芸へと変わってきている。
一曲一曲に「演」と「芸」がついてきている。
観させる太鼓へと変わってきている。
太鼓のもつ本源的な音をどこまで叩き出すかがこれまでのTAOであった。
それがビートの嵐であった。
今回はそうではない。
太鼓という楽器をダシに使って演じられる芸の領域をなんとか広げようと苦闘しているという感じだ。
踊りだけでなく、寸劇すらも入ってきている。
できることは何でも試してみたいという覇気がある。
が、それは過去のTAOしか知らない者にはまどろっこしい。
「なんだ、このTAOは!」
出てくる言葉はこうだ。
「TAOは老いたか?」
である。
あの1時間半を打ち続ける若さを失いつつあるのか?
パワーを力を、ビートを失いつつあるのか?
である。
1時間半打ち続ける怒涛の迫力を、失いつつあるのか。
確かに、あの叩力を続けるというのは、並ではない。
どこかで、息を抜き、休みを作り、貯めをこしらえないといけない。
それが、「TAOは老いたか?」である。
「芸域を広げたい」
それがテーマになっているのが、今のTAOのように見える。
「和太鼓の新世界とはどう構築されるべきなのか」
それを問うているようにも見える。
が、である。
私がみたいと思うのは上手の芸ではない。
「TAOが来る」と知った時、飛んでいってチケットを買ったのは、演を芸をみたいからではない。
「圧倒的迫力」、こいつを感じたいからである。
すさまじいほどの「動」、を体で受け止めたいからである。
前半部の感想は一つ。
「まるで、食い足りない!」
このまま後半も続き、終わってしまうのだろうか。
さて、後半の幕が開く。
やはり、入りは慎重である。
ピアノのような楽器と同じスタイルの演奏を聞きたいわけではない。
前に乗り出して聞きたいわけではない。
圧力に負けてシートに押し付けられてしまうような聞き方をしたいのである。
太鼓というビートを食いたいのである。
が、じわじわとテンションが上がってきた。
戻ってきた「TAOが」。
めくるめく感動の音感が帰ってきた。
「TAOは健在だった」
すさまじい、うねり。
体を動かすこともできないほどのスピード。
オーとこれ、前回より研ぎ澄まされている。
今、TAOは過渡期に入っているのかもしれない。
明日に何をやるべきか、について悩んでいる時期にあるのかもしれない。
太鼓のもつ凄まじさを引き出し切った今、
「次は何を?」
その試行錯誤の過程にいるのかもしれない。
2年後に来るときは、どう変わっているのであろうか。
もしかしたら、もっと穏やかなTAOになっているかもしれない。
もっと華麗になっているかもしれない。
来るかどうかわからない??
いや、来てもらわないと!
その報を聞いたらまたすっ飛んでいって、チケットをゲットしようと思っている。
● CDブックレット裏表紙
なを今回、いい席は埋まっていたと書いたが、なんとなんとそんなことはない。
「C列24番」。
座ってみてわかった。
C列というのは前から3列目。
A列からB列と、ゆっくり上り坂状になっている。
このA列の前の平坦部分に2列のS席が並んでいる。
前回はここの前列席で見た。
演奏者が目の前にいる。
顔をじっくり拝見できたほど。
すごいすごい迫力で、汗が飛んできた。
でもちょっと、全体を見渡すのには近づきすぎていた。
今回はちょうどいいほどの距離にしてスロープの上りある。
見上げるということはなかった。
左右を見るに首を振るということもなかった。
24番というのは、これもすばらしい。
どうも25番26番あたりが真ん中のようであり、わずかに1,2席外れただけのほぼ中央と言っていいほどの席。
間違いなく「いい席」である。
楽しませてもらった、といっていい。
● CD表
● CD裏
TAO公式ページ
『
TAO ENTERTAINMENT
http://www.drum-tao.com/main.html
』
ここにはオーストラリア公演中のメンバーのブログがたくさん掲載されています。
その中からTAOのスタッフ・ブログを紹介しておきます。
『
TAO STAFF BLOG
http://www.drum-tao.com/blog/
2010年06月21日
浮世夢幻打楽~弐の絵巻~春の全国ツアーを終えて そしてオーストラリアへ
大盛況の内に幕を閉じた、
2010 年春の全国ツアー「浮世夢幻打楽~弐の絵巻~」は、全21公演、約3万人のご来場をいただきました。
たくさんのご来場、本当にありがとうございました。
今回の作品は、私たちスタッフも何度となく涙したことか。
本当に言葉では表せないほど、素晴らしい舞台でしたね!
そして、TAOは、この勢いを止めること無く 2年ぶり、3度目のオーストラリアツアーへと旅立ちました。
今、オーストラリアは日本と逆で真冬です。
TAOの元気な演奏が、オーストラリアの人々の心をきっと温かくすることでしょう!
オーストラリアツアーの幕開けは、3度目となる Mandurah(マンジュラ)。
パースから約70km南に下った海辺の街。
オーストラリアの原住民、アボリジニの言葉で「出会いの場所」という意味のこの場所から始まるツアーはなんだか素敵な意味を持っているような気がします。
海外ツアーの初日は海を超えて渡ってきた太鼓や衣装のメンテナンスからスタート。
もう3度目というリピーターの方も多く、満席のMandurhaが盛り上がるのは間違いないとは思っていましたが、なんと4曲目の【銀の画家】からすでにスタンディング。
ノリノリのお客さんのおかげもあってか、あっという間の2時間でした!
必ず次もきてね!という声をたくさん聞き、TAOがオーストラリアの地にしっかりと定着したことを感じさせくれました。
公演終了後、2年前と同じ現地のテクニカルクルーも、大きな声をあげ、メンバー全員に思わず抱擁していました。
その嬉しそうな顔には、流れ出す涙が光っていました。
今年のオーストラリアツアーも大成功の予感です。
投稿時間 TAO 14:36 | カテゴリー : 2010年オーストラリアツアー
』
[◇]
ちゃっかり置いてあったのはこの名刺
「和太鼓のご用命はこちらまで」
商魂たくましい。
ということは、需要があるということか?
● 花いろいろ