2010年12月29日水曜日

ガラパゴス化しつつある「日本寿司」

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● 時事通信 - ‎2010年12月24日


 インターネットでニュースを見ていたら出てきたのがこの記事。


ⓒ 中央日報/中央日報日本語版 2010.12.29 11:41:53
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=136195&servcode=A00&sectcode=A00

 日本「外国人すし料理人認証制」を導入

 日本が「和食」の代表メニュー、すしの標準化に乗り出した。
 世界で人気を集めているすしの作り方や味を標準化し、外国人を対象にすしの知識に関する認証制度を導入する計画だ。
 この制度が定着すれば、すし店が認証の有無で区別され、すしはよりいっそう象徴的な日本食になると予想される。

 日本国内のすし店からなる全国すし商生活衛生同業組合連合会(以下、全国すし組合)は来年から外国人を対象に「すし知識海外認証制度」を実施すると明らかにしたと、時事通信が28日報じた。

 全国すし組合はまず来年1月26-27日、シンガポールで最初の講習会を開く。
 講師は「すし職人」と呼ばれるすし専門家が務めて試演する。
 すし職人は、東京の繁華街・銀座などで40年以上もすしを握ってきた一級料理人で、食材の新鮮度を維持する方法や魚に適した調理法など必要な基本知識を受講生に伝える。
 海外講習会は2月以降もロンドン・ロサンゼルス・サンフランシスコなどで相次いで開催される予定だ。

 全国すし組合の山縣正会長は「講習会ではすしに関する基礎知識を十分に教える」とし「認証書を受けたすし店は顧客から信頼を受けることになるだろう」と述べた。

 日本がすし料理人認証に取り組むのは今回が初めてではない。
 かなり以前から話は出ていた。
 日本農林水産省は07年4月から、海外に「スシ・ポリス(sushi police)」を派遣し、認証制を実施するという計画を発表していた。
 世界中にすし店が増えているが、味のばらつきが大きいため、すしの本場である日本が監督をしようという趣旨だった。

 この制度の導入のため、2006年にフランスで試験的にスシ・ポリスを初めて稼働した。
 日本貿易振興機構(JETRO)パリ支部が「本物の日本のすしの味を知らせるべきだ」とし、秘密裏にパリ市内のすし店に専門家らを派遣した。
 専門家らは外国人が経営するすし店で日本産の食材を使っているか、スタイルやサービスが日本式に近いかなどを点検した。
 評価の結果、ほとんどが基準に達しなかったため、スシ・ポリスの導入がほぼ確定する雰囲気だった。
 しかし米国をはじめとする世界各国で「飲食国粋主義」という反発が強まり、当時政府予算にまで反映されたスシ・ポリス制度は座礁した。

 こうした曲折のため、今回は日本政府が前面に立たず、日本全国1万人余りのすし料理人が加入する全国すし組合が先頭に立った。
 味よりも衛生を強調したのも違う点だ。
 専門知識がない外国人が作ったすしは非衛生的になるおそれがあり、専門家が認証したすしを食べてこそ安全だという論理だ。


 ソースになっているのがこの記事。

時事通信 - ‎2010年12月24日‎
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201012/2010122500033

外国でも安全なすしを!=衛生知識の普及へ新制度-全国すし連

 海外で急増しているすし店に衛生面での知識を普及させようと、全国すし商生活衛生同業組合連合会(山縣正会長)が外国のすし店で働く人を対象とした「すし知識海外認証制度」を始める。
 まずは来年1月26、27の両日、シンガポールで初の講習会を開催。東京都内で40年以上すしを握っている山縣会長ら職人たちが同国を訪問、ネタの鮮度を維持するための方法や魚に適した調理法など、基本的な知識を伝える。
 ヘルシー志向の高まりなどから、世界的に和食ブームが広がり、日本の代表的な料理として最近は天ぷらよりもすしの人気が高いという。
 ところが、
 「生魚の扱いを知らない外国の料理人たちがすしを握って、食中毒を発生させるケースが少なくない。ここまま放置しては日本のすし文化に傷がつく」
と山縣会長。
 そうした危機感から、同連合会の職人が外国へ出向き、魚介類のほか調理器具の扱いも含めて、衛生管理などの基礎的な知識の普及に乗り出すことになった。
 数時間の講習の後、試験を実施して一定レベルに達した人には認定証のほか、有料でバッジが与えられる。
 山縣会長は、
 「『認定証のある店は安全』と信頼されるように、しっかりと基礎的な知識を教えていきたい」
と話している。
 講習会は2月以降にロンドンでも行う予定。
 その後も各地に5、6人の職人を派遣して、安全なすし作りの知識普及に努めていきたいという。


 またまた、バカなことをやりはじめたのかと一瞬思った。
 日本の寿司とは、世界の目でみると非常に
 ローカルな「すし」
なのである。
 ところが、どういうわけか日本の寿司が世界の寿司だと思っている日本人がうんじゃまんじゃいる。
 「すし」とはなにか。
 答えは、「
ライスの食べ方の一方法」。
 言い換えると、ライスの食べ方の一方法に日本のスタイルを取り入れた世界のライス調理法なのである。

 よって、生魚の身を使ったり、酢飯にしたりするのは、「すし」あるいは「世界sushi」からいうと、日本という地方産のすし作り、すなわち「sushiの分派」にすぎないのである。
 「すし」が世界に普及したのは、日本産スタイルというしがらみから抜け出たからである。
 そこには形だけの日本があって、中身は世界風なのである。
 日本風のすしなどは、世界では見向きもされないのである。
 このことが日本では理解されていない。
 ただ「すし」という名がついているため、「日本だ!」と短絡的に考え、それに引きづられて発想をしてしまう日本人が多すぎるのだ。

 世界のすしと日本のすしは得て非なるものなのである。
 このことが頑迷な日本人の頭に入ってこない。
 カレーはインドが元であり、日本のカレーがインドカレーと違うことに気づけばすんなりと分かることである。
 すしは日本が元であるが、世界のすしとはちがうのである。
 日本人は日本の寿司が好きである。
 が、世界の人々は日本の寿司がキライなのである。
 世界人は好きなのは世界sushiなのである。
 「お分かり!」
 このことは前にも書いた。

 世界のフランス料理に「フランス料理人認定制度」なるものがあるのだろうか。
 もしあるとしたら、日本にあるフランス料理店のシェフはその認定受けているのだろうか。
 イタリアに「ピザ・スパゲテイ職人認定制度」があるのだろうか。
 インドに「正しいカレーの作り方を指導する機関」があるのだろうか。
 中国に「中国料理3千年の歴史」を保存するための料理人制度があるのだろうか。

 日本には調理師試験がある。
 これはあくまで、衛生規則にのっとったもので、味がどうのみてくれがどうのといったものではない。
 よって「すし職人認定制度」なるものはやめるべきである。
 その地その地にあったすしを産み出していくこと、それが世界スシ組合連合に課せられた使命なのである。





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